旧主の喪に服す

一人の満足した顧客は、10人の営業マンに優る、と教えられた。 この反対に、不満をもったお客は、10人のライバル企業の営業マンに匹敵するのだろう。 昔、といってもまだ一年にもならないが、大きな組織に所属していた時の話である。» 続きを読む

『列子』情けは人のためならず

「情けは人のためならず」という言葉があるように、最終的には自分の利益が大切である。 利益が目的であり、人に敬意を払ったり親切にしたりすることは、手段かもしれない。 しかし、手段は大切である。» 続きを読む

『国語』貧しさの栄光

季文子相宣成、無衣帛之妾、無食粟之馬(『国語』魯語) 魯の季文子という人は、宰相として、宣公、成公の二君に仕えたが、その家には、絹を着る妾もなく、穀物を食べる馬もいないほど、質素倹約であった。 仲孫它(ちゅうそんた)という若者が、言った。» 続きを読む

『世説新語』廉者は求めず、貪者には与えず

何と言うこともないが、好きな話である。 庾法暢(ゆほうちょう)と言う人が、庾亮(ゆりょう)という東晋の貴族を訪ねた時、麈尾(しゅび、払子のようなものらしい)の立派なものを握っていた。 そのあまりの素晴らしさに、庾亮は、» 続きを読む

何となく印象に残る話

中国の古典を読んでいて印象に残るのは、やはり英雄、豪傑、名臣と言われる人たちの事跡である。 しかし、一般に知られていなくても、何故か、気になる人物もいる。 例えば、石慶という前漢時代の人である。» 続きを読む

『世説新語』与ふる者をして少なきを忘れしむる

引き続き『世説新語』から、何ということもないが、好きな話を。 西晋の初代皇帝で、呉を滅ぼして三国志の時代を終わらせた武帝(司馬炎)は、竹林の七賢で有名な山濤(さんとう)を重用していた。 しかし、重用している割には、与えている食禄、つまり給料は少なかったという。» 続きを読む

一に健康二に人柄

昔、「一に健康、二に人柄、三、四がなくて、五に能力」と教わった。 教わった当時は、いくら人柄が良くても、能力がなければ、役には立たないのではないかと思った。 しかし、こういった人は、決して世の害にはならないだろう。» 続きを読む

戦略とは条件(環境)を変える技術である

転職も当たり前になってきたが、まだまだ良いイメージとはいえない。 履歴書を見て転職回数が多いと、それだけで採用を躊躇う人事担当者や経営者は多い。 日本には、優秀な人材であれば、どんな環境でも頑張れる筈だという、一種の思い込みがあるようである。» 続きを読む

『戦国策』中国版ゴルディオスの結び目

斉の襄王の皇后で、賢后と称えられ君王后の元に、秦の昭王が、玉連環という知恵の輪を届けた。 斉に賢人が多いと聞いていますが、この知恵の輪を解くことが果たしてできるでしょうか、という一種のいじめであり威嚇である。 君王后は、その知恵の輪を群臣に示した。» 続きを読む

『孟子』韓国ドラマ 19歳の純情

古い韓国ドラマで、「19歳の純情」という、大好きなドラマがある。 中国の延辺朝鮮族自治州出身の19歳のグッカという娘が主人公である。 国際結婚で韓国にやってくるが、到着してみると結婚相手が交通事故で死んでしまっていた。» 続きを読む

『孟子』無名の指

無名の指とは、くすり指のことである。 孟子は言う。 くすり指が曲がって伸びないとする。決して痛い訳ではなく、不便な訳でもないとする。» 続きを読む

『国語』やはり戦争は起こるのだろう

僕が子供の頃、大人たちは皆、戦争を経験していた。そういう大人たちから、戦争を賛美する話はほとんど聞いたことがなかった。天皇制についても、廃止すべきだという意見の方が多かった。 そんな中、誰から聞いたのか、何を読んだのかは忘れてしまったが、記憶に残っている言葉がある。それは、「後50年もしたら、日本はまた戦争をするだろう。戦争体験者がわずかになり、戦争を知らない政治家ばかりになれば、また戦争をするだろう」という言葉である。 そしてまさに、僕が子供の頃からすると50年になって、本当に戦争が起こりそうな雰囲気が濃厚である。人類の歴史は戦争の歴史である。人という種は、どうも争うことをやめることは出来ないの種なんだろう。その意味で、日本が絶対に戦争をしてはいけないとまでは、僕は考えていない。» 続きを読む

『蒙求』瓢箪は鳴るか鳴らぬか秋の風(漱石) 

東洋の、貧しさをかっこいいとする思想は素敵である。 徒然草の第十八段に、次のような文がある。 唐土に許由といひける人は、更に、身に随へる貯へも無くて、水をも手してささげて飲みけるを見て、なりひさごといふ物を、人の得させたりければ、或時、木の枝に懸けたりければ、風に吹かれて鳴りけるを、喧(かし)ましとて捨てつ。又、手に掬(むす)びてぞ水も飲みける。いかばかり心のうち涼しかりけむ。» 続きを読む

『戦国策』敵を攻めるチャンス

人と人の関係であれば・・・、 相手が親切にしてくれば、こちらも親切を返すし、相手が強硬であれば、こちらも、負けるものかと頑張るのが常である。 しかし、国と国との関係は、そうでもないらしい。» 続きを読む

『孟子』目引き袖引きして人は嘲笑う

日本の社会は、宗教的な規律、つまりは神の規律や法といったもので動いてきた社会ではない。社会を律していたのは、お互いの人間関係であり、その基本となるのは「恥」という考え方だったと思う。 人から見て恥ずかしいことをしない。これが、倫理の基準であった。 みっともないことをすれば、周囲から目引き袖引きして嘲笑われたのである。» 続きを読む

『戦国策』善と正義とは全く違ったものである

跖(せき)の狗(いぬ)、堯(ぎょう)に吠ゆるは、跖を貴んで堯を賤(いや)しむるに非(あら)ざるなり。 跖とは、盗跖(とうせき)と言い、古代中国の大悪党である。堯とは、聖人であり、古代中国における名君の代表である。 大悪党である盗跖の飼い犬が聖人である堯に吠えるのは、盗跖が善で堯が悪だからではない。堯が、自分の飼い主である跖の敵だから吠えるのである。» 続きを読む