ジャンケンで勝とうと思えば、後だしすることである。
相手の出方がわかれば、まず負けることはない。
このことを孫子は
「敵を知り己を知れば百戦すれど危うからず」と述べた。
有名な言葉である。原文では、
知彼知己者、百戰不殆。不知彼而知己、一勝一負。不知彼不知己、毎戰必殆。(孫子 謀攻篇)
彼を知り己を知れば、百戦して殆(あやう)からず。
彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。
彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し。
真理だと、思う。
物事をうまく進めていく際、相手の人柄や考え方を知ることは、極めて重要である。
コミュニケーションという場面に、このことを当てはめると、まずは相手の話を聴く、もしくは相手に話をさせるということになる。
ところが、何故か、多くの人が出来ない。話を聴く前に、自分がまず話してしまう。
部下や後輩の話を聴かずに一方的に話をしたり、
顧客のニーズを聴かずに一方的に説明したり、
他部署の要望を聴かずに一方的にこちらの都合を伝えたりしてしまう。
これは、相手に後だしジャンケンをさせているようなものである。
考えてみれば、不思議なことではないだろうか。
話は変わるが、
後だしジャンケンでわざと負ける、つまり、相手がグーを出したらチョキ、パーを出したらグーを出すというのは、なかなか難しい。 興味ある方は、試してみていただきたい。 Tabl