私がお世話になっているクラブは、エルドラドランチと言って、ウエスタン乗馬のクラブである。
場所は千葉の八街市にあり、東金有料道路の山田インターを出ると、車で2~3分の距離である。
私は乗馬を始めて3ヶ月の入門者であるが、エルドラドの乗馬に対する考え方は、実に理にかなっていると思う。
ただ、多くの乗馬クラブの考え方とは、全くといっていいほど違っている。
エルドラドの乗馬に対する考え方を一言で述べれば、例え初心者であっても、
「騎乗者が馬をコントロールする」
ということである。
この考え方を徹底するために、エルドラドでは、
①部班は行わない
②蹄跡を歩かない
③インストラクターが馬に号令しない
という三つのことを大事にしている。
何故、この三つが大事かといえば、
①部班を行わない
馬は群れで生きている動物である。
つまりは、他の馬の影響を受ける。部班で練習すれば、他の馬が速歩をすれば自分の馬も速歩、他の馬が停止すれば自分の馬も停止するといったことが起こる。
これでは、騎乗者が馬をコントロールしているとは言えない。
②蹄跡を歩かない
いつもいつも蹄跡を歩かせていると、馬は無意識的に蹄跡を歩くようになる。
これでは、騎乗者がコントロールしているのかどうか、分からない。
エルドラドでは、図形を描くときも柵から3メートルは離れて、馬に柵を意識させないようにして練習する。
③インストラクターが馬に号令しない
初心者が騎乗している場合、馬は騎乗者ではなくインストラクターの指令で動いている場合が多い(100%といってもいいかもしれない)。
初心者がいくら腹を圧迫しても速歩が出ない時など、インストラクターが口で「速歩」と言うだけで、速歩発進することもある。
エルドラドでは、速歩発進や駈歩発進する場合、インストラクターは号令をかけない。
インストラクターは、騎乗者に、
「いつでも準備が出来たら、自分の意志で速歩を始めて下さい」
と言うだけである。
上述したように、この三つは、乗馬が上達するといった観点で理にかなっていると思うが、皆さんはどう思われるであろうか?
ところが、多くの乗馬クラブでは、
①部班で②蹄跡行進を③インストラクターの号令で行っているのである。
これは何故かといえば、このやり方の方が上達を早期に感じられるからではないだろうか。
私自身、乗馬クラブを択ぶ際にこの方式で指導を受けたが、段々と上手くなっているなと実感した。
何故、上手くなっているなと感じたかといえば、自分のコントロールで乗馬していなくても、馬に乗っているだけでバランス感覚が養われるからだと思う。
最初は常歩だけでもおっかなびっくりだったのが、速歩にもついていけるようになり、駈歩でも馬に乗っていられるようになる・・・・、ああ、自分も上手くなったなぁと思わなければ嘘である。
ところが、広い馬場で単騎で馬を動かそうとすると、これが全く出来ないことに気づくのである。
こう考えてくると、私のように年寄りで、今からそれほど上達しそうにもない人間は、普通の乗馬クラブでも良かったかもしれない^^
しかし、本当に上手くなりたいと考えている人は、クラブを択ぶ際には十分に考えた方が良いだろう。
上に挙げた三つを徹底している乗馬クラブは少ないとは思うが、最低でも部班ではなくマンツーマンが中心のクラブが良いと思う。そして、もちろん、料金がリーズナブルでなければいけない。
ネットを見ていると、部班料金は安いが、マンツーマンになると極端に高いクラブが多いようである。今の自分の環境からすると、信じられないほど高額である。
このあたりの料金設定も、充分に研究する必要があるだろう。
実は、ここまで書いたことは、今になって思っていることであり、私が今のエルドラドに決めた一番の理由は他にあった。
それは「馬」である。
大手のいくつかのクラブを訪問した時、馬房にいる馬を見た。
そうすると、明らかに動きがおかしかったり、口に噛ませないための籠を付けたりした馬が少なからずいた。
それまでの人生で、ほとんど馬に触れたこともない人間にとって、こういった怪しげな馬に馬装をすると考えただけで、気が滅入ってしまった。
ところが、エルドラドの馬は違った。
どの馬も従順でおとなしかった。これなら馬装も出来ないことはないなと、思ったのである。
(孫と昨年生まれた仔馬、名前はロイヤルプリンセスつまりは王女)
改めて思うに、乗馬というからには、一番大事なことは馬かもしれない。
そのクラブにはどういう馬がいて、そのクラブは馬をどう扱っているのか、これこそが、乗馬クラブ選びで最も大切なことかもしれない。