スライディングストップ(84鞍目)

酷暑である。

朝の10時、エルドラドランチの繋ぎ場の温度は35度あった。日陰でこの温度である。

馬装をするだけで、スポーツドリンクを一本飲んでしまった。

しかし、馬場に出て馬に乗ると、思いの外、涼しい。特に駈歩は風を切って走るから爽快である。

いつもの練習メニューと共に、今日も昨日に引き続きスライディングストップの練習を行った。

改めてスライディングストップとは何かを紹介すると、ウエスタン馬術の演技の一つである。

高速の駈歩で直線を駆け抜け、一瞬にして馬を止めて、馬の後ろ脚を滑らせる、つまりスライディングさせるのである。

(スライディングストップを調教中のTT先生)

練習をやるに当たって、指導を受けた内容としては、

1、馬を真っ直ぐに走らせる

2、駈歩の上下運動に合わせて、サンライズ、サンセットとリズムを取る。

3、サンライズからサンセットに向かうタイミングで「ウォー」と言って馬を止める

4、馬は止めるのだが、人間の身体は止まらずに馬の動きに随伴する

5、体重を馬の後ろにかける

といったところである。

実際に練習してみると、馬を真っ直ぐに走らせることが、意外に難しいことが分かる。

馬場の端から端まで、80mを駈歩する訳だが、柵に近づくと、馬は柵を避けようと曲がりだすのである。

何とか曲がらないように馬をコントロールするのであるが、どうしても上手くいかない場合には、駈歩でそのままターンして、反対の柵までの80mを走り、そこで止まるようにしていた。

馬が上に動いた時に「サンライズ」下に動いた時に「サンセット」、これは出来るのだが、「ウォー」をかけるタイミングが難しい。

タイミングが悪いものだから、スーと滑るように止まるのではなく、ガクッと止まってしまう。

馬が止まった後に、後を振り返って蹄跡を確認するのだが、50センチ位しか滑っていない・・・・。

超一流にになると、10メートルも滑るらしい。

この滑る距離の少なさは、タイミングもあるが、そもそも体重を馬の後ろにかけてバランスバックが出来ていないからである。

バランスバック自体、まだまだ練習中であり、上手くスライディングストップが出来るまでの道のりは遠い。

ただ、今日の騎乗は暑かったが充実した楽しい時間だった。

年を取ると汗をかかなくなり、基礎代謝も落ちてきてしまうものだが、今日も信じられない位の汗をかいた。

体重もウエストも確実に減ってきており、馬を始めて本当に良かったと思う。

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