ブリティッシュの手綱は、右のハミから左のハミへと、一本の紐である。
もし、右の手綱が緩んでいれば、左の方へ手繰れば良い。
ところが、ウエスタンの手綱は、一本ではなく二本である。
右のハミから一本の紐、左のハミからもう一本の紐が伸びてきている。
そして、この二本を手元で束ねて持ち、操作をおこなう。
この二本ということが、変な固定観念を私に持たせていた。
つまり、もし、右の手綱が左に比べて緩んでいれば、右のハミから伸びてきている紐を手繰りよせ、左が緩んでいれば、左からの紐を手繰らないといけないと、思いこんでしまっていた。
この作業はかなり難しい。
手の内にあるのは二本であり、その内、どの紐が右がきているのか、左からきているのかは、簡単には分からないのである。
常に、実に難しいと思って騎乗していた。
ところが、昨日の夜に、ふと気づいた。
元々は二本であっても、手の内に束ねている訳だから、一本と思えば良いのである。
実に単純な話である。
あまりにも単純なことなので、先生に聞くのも恥ずかしかったので、何も言わずに今日は乗馬した。
そしたら、予想通り上手くいった。
上手くいったので、先生に今までの思い違いを話すと、笑われてしまった。
先生としても、私のような馬鹿らしい思い違いをする人はいなかったであろうから、そもそも教える気にもならなかったのだろう。
今日の騎乗では、もう一つ重要なことに気づかされた。
以前にも書いたが、右へリードする時は、概ね思い通りの場所を通ることができるのだが、左がうまくいかない。
左へリードすると、思っている以上に左の内側に馬が向かってしまう。
何とか修正しようと、右の手綱を引くと、馬の首は右に向いたまま左内側へと馬は進んでいってしまう。
先生に相談すると、これは、そもそも右の手綱が左に比べて短いことが原因だとのことである。
しかし、自分としては、右の手綱が短いように思えない。
馬を止めて、先生から「今が左右均等の長さだ」と言われるように手綱を調整すると、右が長く見えて仕方がない。
自分で分からなければ、調整することができない。ということは、一人で馬に乗ることはできない;;
そこで、先生に教わったのが、
「馬の首を見なさい!」
ということである。
馬の首が真っすぐであれば、手綱は均等だろうし、曲がっていれば均等ではない、ということである。
つまりは、馬とのコミュニケーションであり、馬の反応を見るということである。
左右の手綱の長さが均等かどうかを判断するのは、乗り手でない。馬である。
これも考えてみれば単純で、当り前のことである。
馬の首は勝手には右を向かない。私が右に向けていたのである。
馬としたならば、首を右に向けられたら、バランスを取るためにも左へ左へと動くしかないであろう。
今日は大きな気づきを得た一日となった。
今日で2月も終わる。
3月は年度末で、私にとっては一番時間の取れる月である。体力の許す限り乗馬に取り組む予定である。
(ボーダーコリーの子犬のハーヴィーは、どんどんと大きくなり、また、いたずらっ子になっていっている。しかし、実に可愛い)